ソファーベッドは、ソファーがベッドに、ベッドがソファーに形を変えることで、1つの家具が2つの役割をこなせる大変便利なものです。
ただ、形を変えるといっても、その構造にはいくつかの種類があり、それぞれのいい点、悪い点があります。
ソファーベッドのタイプは、大まかに以下の3つに分類できます。
■フレームにクッションが乗る形でソファー、広げてベッドになるタイプ
■フレーム自体が形を変えるタイプ
今回は、これらのタイプごとの特徴と、メリット・デメリットについての考察です。
目次
座面をスライドさせると背もたれが倒れて平面になるタイプ
この「スライド」タイプは、ほとんどの場合、座面下にフレームとの引っ掛かりがあり、座面を少し持ち上げて引っ張ると、座面が手前にスライドし、その分背もたれが寝て、座面を手前に引っ張り切ると、真っ平になります。
構造に余裕があるため、座面の下に収納を設けている製品もあります。
メリット
操作が簡単で、特にソファーからベッドにするのは非常に楽です。ただし、ベッドからソファーにするのには若干ですが力がいります。
上に多少物が乗っていても、変形の妨げになりません。毛布や枕くらいなら全く気になりませんし、掛布団が乗ったままでも大丈夫です。
また、スペース効率もよく、フレームの位置は全く変わらず、座面が少し手前に張り出すくらいでベッドになります。
背もたれ側を壁にぴったりつけても、ほとんどの場合問題ありません。
機構の関係上、クッションはやや硬めなことが多いです。
それに、座面が本体上でスライドするだけであるため、床との接触がないので、床のホコリを気にする必要がありません。
デメリット
スライド機構が入った金属製のフレームであることが多いため、重くなる傾向があります。引っ越しや模様替えのときにちょっと苦労するかもしれません。また、そのせいでやや価格が高めです。
構造上、サイズに制限が付きます。背もたれ高さと座面幅の合計がベッド時の幅となるため、ベッドとしての幅を一定以上広くすることも狭くすることも難しく、だいたいシングル~セミダブルくらいの幅となります。
最近の製品では無いようですが、以前のものでは、長く使っているうちに、ベッド時の座面の張り出しが重さに負けて下がってしまい、ベッドとして傾いてしまうことがありました。
フレームにクッションが乗る形でソファー、広げてベッドになるタイプ
この「広げる」タイプは、最低限の椅子型フレームに、厚手のクッション材が乗ってソファーの形となり、それを広げることでベッドとなります。
広げ方も製品ごとに個性があり、また、色やサイズにバリエーションが多いのも特徴です。
メリット
構造がシンプルなので、扱いやすいです。現在、このタイプの製品が一番ラインナップが多いです。
また、金属の部品や機構が少ないので軽く、取り回しがいいです。価格も割と低めにできるのが魅力です。
クッションの硬さにも制約がないので、硬め、柔らかめ、どちらの製品もあります。
基本的には、ソファーにして違和感のない範囲であれば、サイズにも制限はありません。シングル程度のものから、キングサイズのものまであります。
デメリット
乗っているクッションを広げるという性質上、床のホコリを巻き込みやすく、ソファーベッド自体の定期的な掃除が欠かせません。
また、ソファー時とベッド時で占有する面積が大きく変わるので、場合によってはベッドにできないことがあるかもしれません。具体的には、このタイプのソファーベッドの正面には、大きな余裕を見ておく必要があります。
あと、上に何か物が乗っている状態ではソファーとベッドを切り替えることができません。
フレーム自体が形を変えるタイプ
この「フレーム」タイプは、フレーム自体がソファーやベッドの形を取り、上に、ソファー座面にも寝台にもなるクッションが乗っています。
占める面積は「広げる」タイプに似ていますが、クッション部分が床に触れることがないという点では、「スライド」タイプに近い部分もあります。
メリット
複雑な機構があるわけでもなく、また、クッションが床に敷かれるということもありません。
変形の自由度が高く、ベッドとソファーのあいのこのような形にもできたりします。
構造的にすのこベッドに近いので、通気性がよく、湿気に強いです。
デメリット
上のクッションをどかしてフレームの形を変えて、またクッションを敷きなおすのが若干面倒です。変えることはできても、一度どちらかの形にしたら頻繁に変えることは少ないでしょう。
これも、ベッド時とソファー時の占有面積の差が大きいので、広さに余裕がある部屋向きです。
まとめ
ソファーベッドにもいろいろなタイプがありますが、使い勝手がそれぞれ全く違います。
「広げる」タイプにはカジュアルな雰囲気のものからシックなものまで幅広いラインナップがあるので、自分に合ったものを選びやすいと思います。
部屋の広さに余裕がない場合は、「スライド」タイプが収まりが良く、ベッドにしてもそれほど広がらないので、重宝します。