ベッドの寝心地に不満がある、改善したい、とお思いではないでしょうか?
また、これからベッドを買おうとしている方であれば、どうせなら寝心地がいいものを買いたいとお思いのはずです。
今回は、ベッドの寝心地を決めるマットレスに絞った場合の選び方について、見ていきたいと思います。
目次
マットレスの種類
ベッドの構成として一般的なのは、「ベッドフレーム+マットレス」です。
ベッドフレームの上に直接布団を敷いて寝ることもありますが、その場合は、床に布団を敷いているのと大差ないので、ベッドの寝心地がどうという話ではなくなってしまいます。
「ベッドの寝心地」を決めるのは、やはりマットレスなのです。
マットレスには、大きく分けて以下の3タイプがあります。
ボンネルコイルマットレス
・バネが面状に編まれており、体重を面で支える
・体圧分散効果は低く、寝心地は硬め
・平らな面になっているので、寝返りが打ちやすい反面、身体への負荷がやや大きく、全体に振動が伝わりやすい
・内部がほぼ仕切りのない空洞なので、通気性がいい
・価格が比較的安め
・きしみ音が出やすい
ポケットコイルマットレス
・バネひとつひとつが個別に袋にくるまれて収納されており、体重を点で支える
・体圧分散効果が高く、寝心地は柔らかめ
・体が乗っている箇所が個別に沈むので、寝返りがやや打ちにくい。身体への負荷が小さく、振動が他所に伝わりにくい
・バネひとつひとつが布の袋にくるまれているため、内部の通気性は良くない
・価格が比較的高め
・きしみ音が出にくい
ノンコイルマットレス
・バネのような内部構造を持たないウレタンフォームのような素材でできている
・体圧分散効果はコイルタイプよりも低い
・内部構造がないので、折りたたむことが可能
・素材自体のダメージでボロボロになりやすく、製品としての寿命は短い
・価格は、バネタイプに比べると非常に安い(一部例外あり)
マットレスの種類については、以下の記事を参照ください。
身体にあったマットレスを選ぼう
あんまり安いものにはしない
ベッドフレームはいわば床のようなものなので、寝心地には直接影響しません。
その上にあるマットレスの柔らかさに支えられて寝るのですから、マットレスを使うベッドにおいては、寝心地はマットレスの品質や特性で決まります。
家具店等に行って、実際に見てきたことのある方なら分かると思いますが、ちゃんとしたマットレスは、想像以上に値段が高いです。
数万円で買えるかと思ってたら、10万、20万の製品がざらにあり、フランスベッドなどといった一流メーカーのものだと、ちょっとしたバイクなんかが買えるくらいの値段のものまであります。
確かに、いきなり寝具に10万、20万をポンと払える方は多くはないでしょう。
しかし、考えてみれば、人生の1/3は睡眠です。
そして、人生を生き抜くために必要な健康を維持するには、睡眠の質は非常に重要なのです。
「だから高いマットレスを買いなさい」というわけではないですが、
・長い期間、しかも毎日使うものだということを意識して、可能な限り納得できるものを買う
・ちゃんとした品質のマットレスは値段が張るものであるということを念頭に置いて、最初から予算を低く設定しない
という2点だけは頭に置いていただきたいと思います。
「身体が資本」とはよく言われる言葉ですが、その身体の状態に直接影響を及ぼす家具はそんなに多くありません。
自身の収入や生活の状況を無視することはもちろんできませんが、その範囲内においてどんなに高いものを買っても、高すぎるということはないはずです。
ぱっと横になっただけの印象で決めない
マットレスをじかに体感できる場所と言えば、やはりイケアやニトリなどの家具販売店でしょうか。
そういうところで寝転がってみることで、マットレスの感触を確かめることはできますが、一瞬寝転んだだけだと、その瞬間は柔らかければ柔らかいだけ、寝心地がいいように感じてしまうので注意が必要です。
実際には、あまり柔らかいと人によっては腰痛の原因になったりするので、最適な硬さは、かなり慎重に見極める必要があります。
こればっかりは、一晩寝てみるなどして試さないと分からないことですが、なかなかそういうわけにもいきません。
一般論的に言えば、ちょっと寝てみて、これくらいかな、と思ったのよりも気持ち硬めを選ぶといいようです。
また、ボンネルコイルとポケットコイルは感触が全く異なるので、どちらが自分に合っているかも見極める必要があります。
寝ても疲れが取れない、と感じる人こそいいマットレスを選ぶ
毎日よく眠れて、毎朝スッキリ!という人は、自分に合った寝具をちゃんと選べているのだと思います。
しかし、「毎日眠っても、疲れが取れていない気がする」という方は、今使っているベッドやマットレスを少しでも良いものに替えることで、睡眠の質を改善できる可能性があります。
ただし、ここで誤解してほしくないのは、「値段が高いものが、必ずしも自分にとってより良いものであるとは限らない」ということです。
しかし、逆説的ではありますが、高いものがより良いものである可能性もまた高いので、予算の上限が低すぎると選択の幅が狭まって、「自分に最適な製品」に辿り着けなくなってしまう可能性が出てきてしまいます。
どのみち、決して安い買い物ではありません。買った後に後悔するくらいなら、「無理のない範囲で、可能な限りいいものを選ぶ」くらいのスタンスでいいのではないかと思います。
マットレスは床に直置きしてはいけない
「ベッドは床と同じ、寝心地はマットレスで決まる」と書きましたが、だからといって、「それならマットレスだけ買って、それを床に敷いて寝ればいいのでは?」という向きもあるかも知れませんが、それは絶対に止めたほうがいいです。
いずれ、かなりの高確率でカビが生えることになるからです。
マットレスの中身は、そのほとんどがバネに支えられた空洞です。
一方、そこに寝る人の身体からの水分や、周囲の温度差による結露などで、その空洞には水分が多く入り込みます。
マットレスには、側面などにベンチレーションを備えたものも多くありますが、床に直置きしてしまっては、逃げる水分も逃げられず、また、床面にあることで、温度・湿度の影響を最大限受けやすくなってしまいます。
例え床すれすれのフロアベッドでも、ベッドフレームに乗せることでマットレスの下面にも通気が確保できるので、カビが発生する確率は大きく下がります。
とはいえ、それだけでカビが防げるわけではありません。
部屋の換気や、カビのエサとなる部屋の汚れを蓄積しないようにこまめに掃除するなどの対策は必要です。
カビは、生えてしまうと取り除くのは非常に困難です。
また、カビが生えている部屋で寝ていると、胞子を吸い込んで、呼吸器系の疾患につながる可能性も指摘されています。
最低でも、マットレスはベッドフレームとセットであるというのは最低条件なのです。
いずれにせよ、普通はマットレスを単体で買うということは多くはなく、ベッドと一緒に買うことがほとんどであると思います。
まとめ
マットレスは、毎日の睡眠を支える重要なものです。
「無理のない範囲で、可能な限りいいものを選ぶ」というつもりで、予算を多めに確保することをおすすめします。
とはいえ、マットレスだけで10万、20万もするようなものでないといけないわけではありません。
ベッドとして販売されているものには、ベッドフレーム+マットレスで販売されていて、マットレスを好きなタイプから選べる、というものが非常に多く、そういったマットレスも、ゆったり寝るのに必要にして十分な性能を備えています。
また、フランスベッドといった一流メーカー製のマットレスをラインナップに加えているベッドもありますので、余裕があれば、そういう選択もありです。
まずは、そういうところから自分に合ったものを選んでみるのもいいでしょう。