夏の湿気が多い時期は、いろいろなものにカビが生えやすい時期です。
比較的新しい戸建て住宅や分譲マンションなどでは機械式の24時間換気を備えることも多くなって来ており、そういう家では、部屋の中にカビが生える心配もなくなりつつありますが、まだまだ多くはありません。
一人暮らし用のアパートなどでは、湿気がこもって部屋の隅の壁が黒ずんでしまうことが多くあり、当然ベッドや布団にもカビの被害は及びます。
特にベッドや布団に一度カビが生えてしまうと、完全に取り除くのは現実的にはほぼ不可能となります。
やはり、カビが生えてしまう前に可能な限り予防したいものです。
通気性のいいすのこベッドはカビが生えにくい
人の体は、就寝中にコップ1杯分の水分を放出すると言われます。
すのこベッドは、天板を「すのこ板」にすることで、天板が直接空気を循環できるようになっているため、身体からの水分をストレートに受けることになるマットレスや布団の水分を発散するのに、これ以上ないくらいに役立ちます。
普通のベッドに比べてカビが生えにくいのが特徴となっていますので、「通気性」「カビ対策」という点で選ぶなら、理想的と言えるでしょう。
実際に、「使い始めたら、カビにやられにくくなった」という声が多いようです。
使い方によっては効果が半減?
しかし、「通気性」というのは、通り道があればこそ。
確かに、天板自体に普通はない通り道が設けられているわけですが、そこで寝具から出た湿気がちゃんと外まで放出されなければならないのに、その通り道を塞いでしまうと、思うような効果が得られないことがあります。
一番いいのは、ベッドの下に何もなくて風通しがいいいことですが、普通に生活する上で、せっかく荷物が置けるベッド下の空間を全く使わない、というのは非常にもったいないのも事実です。
とはいえ、ベッド下に目一杯の荷物を詰め込んでしまうと通気性が損なわれてしまうのは、想像すればすぐにわかりますので、量をほどほどにして、なるべく天板付近まで行かないようにすると、ある程度の通気は維持できます、
ベッドの脚の形状もポイント
下に荷物がないほうがいいのはもちろんそうですが、ベッド自体の脚(もしくはフレーム)の形状も、通気性に影響があります。
一番いいのは4本(6本タイプもあり)の棒状の脚タイプ
どの方向にも湿気が抜けるので、ベッド下に多少の荷物があっても、あまり大きな影響を受けません。
すのこタイプのローベッドなどはだいたいこのタイプで、天板が低いためそもそも下に物を置くこともできませんので、通気性は非常にいいです。
その次は、ベッドの短辺が板状になっているタイプ
ベッドはその配置上、4辺のうち2辺を壁につけて置くことが多いため、壁につけられなかった短辺の脚が板状だった場合、実質的に3辺が塞がれていることになってしまいます。
とはいえ、まだ1辺が解放状態なので、それをも塞ぐほどに荷物が詰め込まれていなければ、ある程度の通気性は確保されていると言えます。
しかし、逆に床のホコリが溜まりやすくなる状態でもありますので、こまめに掃除をするなどの手入れが必要となるでしょう。
その次に来るのが、収納ベッドの天板がすのこになっているタイプ
ベッド下が収納スペースとして仕切られているので、下空間がフリーになっているベッドほどの通気性は期待できませんが、寝台面を支えるすのこ板が若干でも上がっているため、完全な板と比べると、まだ通気性があります。
また、収納タイプは、ベッド自体の高さもあるため、空気が流れやすく、湿気の発散にやや有利です。
ただし、荷室とのあいだに仕切り板がない場合、上からのホコリが、収納している荷物にかかってしまうため、注意が必要です。
一番不利なのが、フロアベッドの天板がすのこになっているタイプ
ベッド高がかなり低く、また、天板は確かにすのこ板になっているものの、四方がフレームに囲まれていて、マットレスをその中に落とし込む構造であることが多いため、湿気の逃げ場がどこにもありません。
高さがないため、すのこ板から発散した湿気も行き場がなく、通気性という点では最も不利な形状と言えるでしょう。
しかし、このようなタイプであっても、部屋がすっきりして見え、デザイン的に優れているというメリットがあるので、換気がしっかりした、湿気が気にならない部屋で使う分には何の問題もありません。
ただ、部屋の隅の壁にカビがはえてしまうような部屋で使うと、かなりの高確率でベッドや布団にもカビがはえてしまうので、注意が必要です。
すのこベッドにもデメリットはある
湿気やカビに強いすのこベッドですが、いくつか注意するべきデメリットがあります。
天板がデコボコしていて、直接布団を敷くのにはあまり向いていない
上にちゃんとしたマットレスを敷く前提の製品だと、すのこ板自体が細く、板同士の間隔が広くなっており、布団での使用はほぼ不可能となっています。
布団の使えるすのこベッドもちゃんとあり、こういうタイプは、板の幅がとても広く、隙間が狭くなっていて、布団を敷いても気にならないように設計されています。
強度が低く、耐荷重量が普通のベッドよりやや小さい
細い板を組み合わせて作る構造上、普通の天板タイプよりも強度が低くなってしまいますので、必然的に耐荷重量も小さくなってしまいます。
平均よりかなり体重のある方がすのこベッドを選ぼうとする場合は、スペック表で、体重の上限を確認したほうがいいでしょう。
ただ、最近の製品を見ていると、すのこベッドだからといって、普通のベッドよりも耐荷重量が劣るということはないようです。
また、その点を逆手に取り、構造をしっかり作ることで、普通ではありえないほどの耐荷重量を売りにしている製品もあります。
→頑丈すのこベッド【SFORZA】スフォルツァ
おすすめすのこベッド7選
頑丈 ヘッドレス 布団対応 すのこベッド 『NOTHUCO』 ノツコ
シンプルで安価な、ヘッドレスタイプのすのこベッド。
脚の長さを変えることで、使い勝手を変えられる自由度もあります。
棚・コンセント付きデザインすのこベッド Camille カミーユ
やや幅広いサイズをラインナップに持つ、スタイリッシュなすのこベッドです。
シンプルながらも上品さがあり、どんなお部屋にも合わせやすいベッドです。
国産 清潔すのこ ヘッドレスチェストベッド Renitsa レニツァ
引き出しを多数備えたチェストベッドの天板がすのこになっているベッドです。
一人暮らしを始める方におすすめのベッドです。
北欧デザインベッド Noora ノーラ
板を組み合わせて作ったような、ボード型のすのこベッドです。
ベッド幅よりも狭いマットレスと組み合わせることで、余ったベッド板の幅をサイドテーブルのように使えます。
棚・コンセントつき頑丈すのこベッド【SFORZA】スフォルツァ
すのこベッドは構造的に弱そう、というイメージをひっくり返す、頑丈さがウリのすのこベッド。
耐荷重量は驚異の600キロとなっており、体重がかなりある方でも安心して使えます。
布団対応 高さ調整可能 大容量ベッド下収納すのこベッド『Ecru』 エクル
女性向けのテイストを前面に出した、カントリー調のすのこベッド。
収納ベッドとしての機能を備えているわけではありませんが、ベッド下に相当量の荷物を置くことができます。
総桐ヘッドレスすのこベッド【fiume】フィウーメ
すべて桐で作られた、高級すのこベッドです。
ヘッドレスタイプで取り回しも良く、使う部屋を選びません。
まとめ
天板自体に隙間があるので、通気性が非常にいいすのこベッドですが、配置の仕方などで、その特性が十分に生かせない場合があるので注意が必要です。
とはいえ、下に荷物を置いたり、収納タイプのものを選んでも、やはりすのこ板は通気性がいいので、湿気が気になる場合は選んで損はありません。
問題があるとすれば、隙間が広いタイプのすのこ板はマットレスが前提なので布団を直接敷けないことや、細い板を組み合わせて作られているため強度が心もとないように感じる場合があるくらいです。
部屋に24時間の強制換気が入っているような場合はメリットが感じられませんが、湿気がこもりやすい部屋では、大いに役立つことでしょう。