これから引っ越したり、一人暮らしを始めたりするにあたって、ベッドで寝るか、床に布団を敷いて寝るか、どっちがいいか考えることがあるかと思います。
とはいえ、今までずっとベッドで寝ていた人は迷わずベッドにすることが多いでしょうし、布団の場合も然り。
これについては、個人の好みの範疇なので、絶対的な正解というものはありません。
しかし、今までと違う選択をしてみることで、「今まで知らなかったけど、こっちのほうが自分に合ってた!」なんてことは大いにあり得ます。
ここでは、それぞれのメリットとデメリットについて見ていきたいと思います。
目次
ベッドを使うことのメリット ≈ 布団で寝ることのデメリット
ベッドだと、布団の上げ下ろしの手間がかからない
布団を床に敷いて寝る場合は、当然ですが、朝起きたら布団を上げる必要があります。
布団を上げずにずっと敷きっぱなしにしている状態を「万年床」などと言ったりしますが、布団がホコリっぽくなったり、カビが生えたりして、いろいろとよくありません。必ず上げるようにしたいものです。
その点では、ベッドだと、ほとんどの場合はマットレスの上に敷布かシーツなので、それらを定期的に交換することはあっても、そもそも布団を上げるということがありません。
これも、健康で若い人にとってはただ面倒に感じるだけのことですが、身体が自由に動かない、腰や膝が痛いという方、また、高齢者の方にとっては、想像以上の負担となります。
そういう方にとっては、ベッドのほうがかなり楽に感じるはずです。
また、ベッドに布団を敷いて寝るということもありますが、その場合でも、毎回上げ下ろしする必要はなくなりますので、手間という点では変わりません。
ベッドなら、布団を収納するスペースが不要
先に出た通り、ベッドだと、ほとんどの場合はマットレスの上に敷布かシーツなので、上げ下ろしするものもありません。
これが布団だと、上げ下ろしをするために、上げた布団をしまう場所が必要となります。
昔のアパートでは、布団をしまうための押し入れはほぼ必ずありましたが、最近の部屋、特にワンルームでは、クローゼットがあるだけで、布団をしまえるような押し入れがないことが多いです。
そういう部屋である場合、布団を畳んで部屋の隅に置くくらいしかなくなりますが、それならまだベッドに布団を敷いて使ったほうがいいでしょう。
ベッドなら、ホコリの影響を受けにくい
人が生活する以上、部屋にホコリが全く立たないということは絶対にありません。
毎日掃除は欠かさない!という場合でも、それは避けられません。
一般的に、普通に掃除をちゃんとしている部屋でも、床から30cmまでの高さにはホコリが舞っていると言われています。
ベッドで寝る場合は、よほど低いものでもない限り、口や鼻はそれより高い位置になりますが、布団で寝る場合は、完全にその範囲内に入ります。
極端なことを言えば、ハウスダストの影響をモロに受ける、ということにもなってしまいます。
そもそも、布団の上げ下ろしでもホコリが立つのですから、その手間がないベッドでは、多少ではありますが、ホコリが立ちにくいとも言えます。
鼻炎気味の方や、気管支炎、喘息といった持病がある方は、ベッドのほうがいいでしょう。
ふかふかの寝心地がいいならベッド、硬い寝心地がいいなら布団
布団の場合は、下が畳であっても、やはり硬いです。寝ると身体が沈み込むような、マットレスを敷いたベッドとは、比ぶるべくもありません。
とはいえ、柔らかければいいということでは決してなく、柔らかいところで寝ると腰が痛くなるという方も多く、そういう方は布団の硬さを好みます。
ベッドのふかふかが良く眠れるという方もいれば、寝床は硬いほうがいいという方もおりますので、これについては、いろいろ試してみて、自分に合ったほうを選んでいただきたいと思います。
また、寝心地は硬いほうが好きだけど、他の条件でベッドがいい、という場合は、マットレスでない天板のベッドに布団を敷く、という方法もあります。
さらに、畳に布団を敷く感触がいいけどベッドがいい、もしくは畳の部屋がない、という場合は、「畳ベッド」という選択肢もあります。
布団で寝ることのメリット ≈ ベッドを使うことのデメリット
布団なら、落ちるということがない
大人で、寝ている間にあちこち移動してしまう人はあまりいないと思いますが、子供、特に小さなお子さんの場合、寝ている間に驚くような移動距離を見せることも珍しくありません。
ベッドだと、そんなに移動したら確実に落ちてしまいます。
眠ったままの無防備な状態で例え30cmでも落下すると、予想以上の怪我につながることもあり、かなり危険です。
これが布団であれば、転がり出るだけで、落下する危険とは無縁です。ただ、風邪をひいてしまうことはあるかも知れませんが・・・。
布団だと、部屋のスペースの自由度が高い
ベッドは、ベッドフレームを部屋に置くので、当然ながら常にそれだけの面積を占有します。
もちろん、インテリアとしての側面もあるのでそれはそれでいいのですが、部屋に大きなモノが置いてあり、その分使える面積が減ることに変わりはありません。
でも、布団の場合は、上げてしまえばもうそこには何もないので、単純に、部屋の中が広くなります。
また、ベッドの場合は一度置くと、模様替えでもしない限り位置を変えることはほぼありませんが、布団であれば、夏はエアコンの当たりやすいところ、冬なら隙間風の当たらないところ、というように、場所を変えることも容易です。
部屋に人を招くことがあるけどスペースが・・・という場合は、布団のほうがいいでしょう。
それでもベッドがいいという場合は、ソファーベッドや、分割タイプの脚付きマットレスという選択肢もあります。
布団は、手軽に干せる
布団は、毎日上げ下ろしするのと同じように、晴れた休日に干したりするのもある意味当たり前な感じなのではないでしょうか。
しっかり干した布団は、何とも言えず気持ちがいいものです。
しかし、ベッドに敷いてあるマットレスとなると、残念ながらそんなに簡単にはいきません。
敷布やシーツを洗いたてのものに替えることはするにしても、あの大きなマットレスを干すのかと思うと、どうしても心の準備が必要になってしまうのではないでしょうか?
そもそも、ワンルームなどでは、どこかに立てかけて干すこと自体がほとんど不可能だったりします。
とはいえ、マットレスもある程度は手入れをしないと、知らないうちに見えにくいところがカビたりすることもあるので、注意が必要です。
わざわざ干すということができない場合は、部屋の換気に気を配るといった対策が必要です。
ベッド下の掃除は結構大変
ベッドの場合、ベッドフレームを置くわけですから、その下は、掃除のときにも手が入りにくい空間となってしまいます。
普段の掃除では、見えている床部分に掃除機をかけるくらいのことでしょうし、ベッド下の隅々まで掃除するには、そこに乗っているもの、置いてあるものをすべてどかせる必要がありますので、さすがにいつでもというわけにはいきません。
しかし、ホコリが溜まりやすい部屋だったり、ペットがいたりすると、想像をはるかに超える量のホコリがたまっていたりするので、定期的な掃除は必要です。
まとめ
最初に述べた通り、これは好みの問題が第一で、正解というものはありません。
ただ、通して見てみると、ベッドのほうがいいという状況はいくつも浮かびますが、床に布団のほうがいい、という状況は意外に少ないように思います。
例えば鼻炎や喘息持ちであったり、室内でペットを飼ったりしている場合は、確実にベッドのほうがおすすめです。床に布団のほうがいいとするなら、部屋にベッドが置けない間取りである場合くらいでしょうか。
「畳ベッド」などだと、畳に布団を敷いた感触・寝心地でありながら、そのベッド下に布団を仕舞えるというように、デメリットを自己解決してしまうことも可能です。
とはいえ、やっぱり最後は好みの問題。どういうふうだと落ち着いて安眠できるか、ということに尽きます。