「床に布団を敷いて寝てるけど、ベッドに変えたいな・・・」とお考えではないでしょうか?
床面からおよそ30cmは常にホコリが舞っていると言われていますし、寒い時期には、下に溜まる冷たい空気でとても寒く感じますし、畳の部屋ならともかく、フロアリングに布団を敷いている場合は床からの冷気が辛いです。
毎朝の布団の上げ下げも結構面倒ですが、それを怠ると、暑い時期には、身体から出る水分が結露して布団にカビが生えてしまうことだって起こりえます。
でも、マットレスのような、バネで支えられるような寝心地よりも、布団の硬い寝心地がいいという人は結構多いです。
しかし、特にマットレスがセットになって販売されているベッドフレームでは、マットレスと組み合わせて使うことが前提の設計になっていることが多く、そういったベッドでは、布団を敷いて寝ることはできません。
今回は、ベッドに布団を敷いて寝ることのメリット・デメリットと、布団を敷いて寝ることのできるベッドについて見ていきたいと思います。
目次
マットレスが苦手、という人は意外に多い
マットレスと一口に言っても、ボンネルコイルタイプとポケットコイルタイプでは寝たときの感触が大きく異なるのですが、それ以前の問題として、マットレスが苦手、という方が結構います。
柔らかいんだか硬いんだかわからない寝心地が好きになれない、朝起きると腕が痺れたり腰が痛くなったりする・・・。
特に、子供の頃はずっと布団で寝てた、という方や、年齢とともに筋力が低下してきた場合にも、そういう違和感を感じることがあるようです。
そういう場合には、やはり布団で寝るのが一番!と思うわけですが、先に挙げたホコリの問題や、冷えの問題もありますし、フロアリングに直接布団というのは、やはり避けたほうがいいでしょう。
それらの問題を解決してくれるのが、「ベッドに布団」という組み合わせ。
マットレスの感触もなく、床に直接寝ることによる問題も回避できるので、マットレスが苦手という方にとっては、非常に有効な選択となります。
ペットを飼っている場合に、掃除がしやすい
床上から30cmくらいまでは、常にホコリが舞っている状態・・・とはよく言われることですが、ペットを飼っている場合には、さらに状況が厳しくなります。
飼っているペットの種類にもよりますが、毛が抜けやすい長毛種の犬や猫が部屋を自由に行き来できる家である場合、床には、予想を上回るほどのペットの毛が落ちることになります。
毎日掃除を欠かさずしたとしても、細い毛が床上を舞うのは避けられません。
家の中を通る空気の流れ方によっては、ペットを入れないようにしている部屋すら毛だらけになることもあるくらいです。
そういう状態で床に布団で寝るのは、布団が毛だらけになるとかいう以前に、健康に影響が出る可能性もありますので、ベッドへの移行は必要でしょう。。
それだけが理由なら、普通のマットレスタイプのベッドでもいいのですが、マットレスは大きくて重いので移動させるのが難しく、ベッドの下などに溜まったホコリ(というかペットの毛)を掃除するのが大変です。
その点、布団は軽いので、外に干して叩いたりもできますし、ベッド下を掃除するのも非常に楽です。
また、ペットの粗相があった場合のダメージも、マットレスと布団では桁違いに布団のほうが軽いですし、対処が楽です。
ベッドに布団を敷いて寝ることのメリット・デメリット
メリット
布団を持っている場合に、それを有効活用できる
初めて一人暮らしをするという場合でも、住んでいた実家で使っていた布団はあると思います。
心機一転、寝具もすべて買い替えてしまうのもアリですが、初期費用は抑えたいもの。
実家で使っていた布団はそのまま持っていく方のほうが多いのではないでしょうか。
同じベッドを買うにしても、布団の敷けるベッドであれば、マットレスがない分価格を安く抑えることができますし、持ってきた布団を有効に活用することができます。
床上付近を舞うホコリ等の影響を受けなくて済む
前述の通り、床付近にはホコリが舞っているので、可能なら避けたいもの。
ペットがいる場合は、なおのことです。
ペットを飼ったことがある方なら多少なりとも、口の中に細い毛が張り付いたような感覚に覚えがあるのではないでしょうか。
ベッドの高さがあれば、床に直接寝るよりは確実に舞う毛を避けることができるでしょう。
布団の上げ下ろしをする必要がなくなる
ベッドであれば、基本的には、布団を敷いたままにしておくことができるので、毎朝布団を上げたり、毎晩寝るときに布団を敷いたり、という手間がかかりません。
床に布団を敷いている方にとっては、この布団の上げ下ろしは、毎日やっていると意外に負担に感じてしまうことの一つです。
朝の時間がなかったり、体調が優れないために敷きっ放しにしてしまうことをきっかけに、それが常態化してしまうことがよくありますが、床には通気性がないので、水分の逃げ場がなく、カビやダニが発生してしまうことがあるのでおすすめできません。
ベッドであれば、ベッド下に水分が発散されるため、床のようなことにはなりません(もちろん定期的に布団は干しましょう)。
ひどい汚れ方をしたときの対処が楽
小さいお子さんがいる場合、おねしょや突然の嘔吐など、予期せず寝具が汚れてしまうことが往々にして起こります。
ペットがいる場合も同様です。
これがマットレスであった場合、ベッドから動かすのも一苦労ですし、洗うのも、とても大変な上、きれいに落ちる可能性があまり高くありません。
大抵はシミのようになって残ってしまうでしょう。
そもそも値段も結構するので簡単に買い替えることもできませんし、結構深刻なダメージとなってしまいます。
小さいお子さんをマットレスで寝かせる場合は、ベッドパッド・敷きパッドが必需品となります。
これが布団であれば、洗うのも比較的簡単ですし、自宅で手に負えない場合は、クリーニングに出すことも可能です。
買い替えるにしても、マットレスほどの高額にならずに選択肢が多くありますので、それほどの深刻さはありません。
冬の床冷えを気にしなくてよくなる
冬の冷たい空気は、下に溜まります。
暖房が効いた部屋でも、足元が寒く感じることがあるのはそのためです。
そのため、床板というのは床暖房でもない限りは非常に温まりにくいので、そこに布団を直接敷くと、その冷たさが布団にも伝わり、なかなか温かくなりません。
冬の時期の底冷えは、体調を崩す原因にもなりやすいので注意が必要です。
ベッドなら、床から離れる分底冷えが伝わることもないので、体温で布団が温まるのも早いです。
起き上がるのが楽になる
柔らかすぎるマットレスは腰への負担となることがあり、体に合わない人だと、寝て目が覚めると毎朝腰が痛くなる、という場合もあるようです。
その点、布団の適度な硬さなら、そういうことが起きにくいので、腰痛に悩まされている方には、布団のほうがおすすめです。
また、布団を床に敷いて寝る場合は、身体を床の高さに横たえることになるので、寝た状態から立ち上がったり、立った状態から横になるのに、腰や膝に意外なほどの負担がかかります。
身体が若いうちは大して気にならないのですが、いわゆる高齢となった場合や、怪我などで身体に異常がある場合は、床から起き上がる、床に寝る、というのは意外なほど困難です。
これがベッドであれば、起き上がっただけで膝の高さに身体があり、その面から立ち上がるのも非常に楽ですし、寝るときも、膝くらいの高さに腰掛けてそのまま横になれるので、身体への負担が大幅に軽減できます。
デメリット
完全に個人的感覚の問題である寝心地を別にすると、ベッドで布団を使うことによる明確なデメリットというのはあまりないように思います。
強いて言うなら、マットレスのベッドに比べて、布団はホコリが出やすい、ということくらいでしょうか。
ベッドに布団を敷く場合に注意したいこと
敷布団が使えるベッドかちゃんと確認する必要がある
ベッドで敷布団を使いたいとお考えのあなたがベッドを選ぶ際に一番注意しなければいけないのは、「そのベッドがマットレス専用でないか」を確認することです。
マットレス専用である場合、マットレスをどかすと骨組みのようなバネ構造になっていたりして、とても布団は敷けないような状態であることが多いためです。
また、ちゃんとした天板があるという場合であっても、ただの硬い板だと、布団が滑ったり、硬すぎて寝にくいことがあります。
布団を敷くには、畳くらいの状態がベターです。
畳ベッドという選択肢もありますが、あまり汎用的とはいいがたいので、天板に何らかのソフト加工がしてあるものを探すか、薄いスポンジ素材の簡易マットレスを使うのも手です。
寝心地がぐっと良くなります。
布団とすのこベッドの組み合わせは要注意
製品によって異なるものの、天板がある程度の細い板で構成され、通気性が最大限考慮されたものがすのこベッドです。
もちろん通気性に問題はなく、布団の水分も抜けやすくなるのですが、敷布団を敷いて寝た際に、天板の形状によってはその形が背中に伝わってしまい、寝心地が悪く感じられることがあります。
そういう場合は、先にも出たような、薄いスポンジ素材の簡易マットレスを使うとほぼ解決します。
最近製品として出ている、布団が使用可能となっているすのこベッドは、そういったことも考慮されており、隙間が寝心地に影響しないくらいに狭くなっているので、寝心地が悪いということはほぼないでしょう。
布団を敷いて寝られるベッド6選
デザインボードベッド Bibury ビブリー
この「ビブリー」はヘッドレスタイプのボードベッドで、通気性を確保した天板と、ヘッドボードがないことによる取り回しの良さで、どんな部屋でも配置できる汎用性の高いベッドです。
すのこベッドですが、布団を敷くことも想定されているので、板の隙間が寝心地に影響しないように非常に細くなっています。
デザインすのこファミリーベッド Pelgrande ペルグランデ
この「ペルグランデ」は、ファミリー向けの連結ベッドとなっており、特に小さいお子さんを持つ家庭向けに設計されているベッドです。
そのため、小さいお子さんによるトラブルを未然に防ぐ工夫が随所に盛り込まれています。
ただ、すのこ板の間隔がやや広いので、布団が薄いと、段差を感じることがある可能性があります。
棚・コンセントつき頑丈すのこベッド【SFORZA】スフォルツァ
この「スフォルツァ」は、耐荷重量600kgを誇る、とても頑丈なすのこベッドです。
ほかのすのこベッドと違い、すのこ板にもフレームと同じ材料が使われており、また、ベッドの構造を支える金具などにも妥協がなく、非常に丈夫にできています。
その分非常にがっしりしており、かなり身体の大きい人でも、きしみなどを気にせず寝ることができるでしょう。
総桐ヘッドレスすのこベッド【fiume】フィウーメ
ベッド全体が桐材で作られた、高級感のあるベッドです。
ヘッドレスタイプなので置き場所も決めやすく、また、桐の天然木製なので、いい香りがします。
とても人気のある製品です。
日本製_大容量畳跳ね上げベッド_【Sagesse】サジェス
ベッドの快適性と畳の感触と大容量の収納スペースを兼ね備えたベッドです。
分類上は「畳ベッド」ですが、これは普通の畳ではなく、「美草」と呼ばれる、本物の畳によく似た感触の合成繊維でできており、普通の畳では後処理が大変な醤油などの液体をこぼしても平気です。
また、合成繊維であるため色が自由に作れるので、緑だけでなく、茶色や黒といった、本当の畳ではありえないようなカラーリングをラインナップしています。
棚・コンセント付きローベッド Hierro イエロ
オシャレなフロアベッドで布団が使えるベッドは意外に少なく、この「イエロ」は、そういう意味で希少なベッドと言えます。
もちろんマットレスも使用可能ですが、布団対応のフロアベッドとして紹介されることの多いロングセラーです。
まとめ
ベッドに敷布団を敷いて寝るというのは、ムダがなく、お手入れもしやすいので、マットレスが好きではないという方でなくてもおすすめです。
特に、腰痛に悩まされている方にとっては、腰への負担も少なく、起き上がりも楽なので、それまで感じていた睡眠周りの苦痛が改善される可能性があります。
ベッドには、マットレスでしか使えないものと、布団が使用できるものとがありますので、その点については注意が必要です。