寝室で、夫婦で寝られるベッドを置きたいけど、大きいのを1つにするのがいいか、シングルくらいのを2つ並べるほうがいいのか迷う、という声を聞くことがよくあります。
シングルベッド(幅約90cm)を2台並べるとキングサイズ(幅約180cm)となります。とはいえ、実際には夫婦で使う場合には、キングサイズよりもやや小さいクィーンサイズが選ばれることが多いようです。
大きいベッド1つと、普通のベッドを並べて2つでは、どちらがいいのでしょうか?
とは言うものの、どちらにもメリットとデメリットがそれぞれあり、一概にどちらがいいとは言い切れません。
今回は、それらについて見ていきたいと思います。
目次
シングルベッドを2台並べて使う場合のメリット
寝具の種類が豊富
シングルベッドは、すべてのベッドの中で最もポピュラーなサイズです。
従って、マットレス、毛布、布団カバーに至るまで、寝具に関するあらゆるアイテムの品揃えが最も豊富であると言えます。
それこそ、シックなものや可愛いもの、高級品から普及品まで、シングルサイズ向けであればどんな要望であっても合致する商品が見つかるでしょう。
クィーン、キングサイズとなると、そうは行きません。そもそもシングルサイズとはベッド自体の普及率が違います。
隣で寝る人の動きが気にならない
夫婦で寝るのであれば、当然二人でベッドに横になるわけですが、1枚のマットレスに2人いると、片方が寝返りでも打てば必ずその振動は伝わります。
マットレスの種類で多少は変わり、ボンネルコイルよりは、ポケットコイルのほうが、相手の振動を伝えにくい特性があります。
しかし、シングルベッドを2台並べた場合は話が全く別で、そもそも完全に別のベッドなので、物音はともかく、振動はほぼ伝わりません。
キングサイズのベッドフレームにシングルサイズのマットレスを2枚敷くと、マットレス1枚の場合よりは振動が伝わらなくはなりますが、フレームがつながっているので、完全ではありません。
クィーン、キングサイズのベッドに2人で寝ると、隣の人の寝返りなどに影響されて安眠しにくいとも言われていますので、そういう振動が気になる、目が覚めてしまう、という方は、シングルベッド2台がおすすめです。
状況の変化に対応できる
クィーン、キングサイズのベッドはそれ以外の使い方はできませんが、シングルサイズのベッド2台の場合は、もともと別のベッドなので、それらを分けて使うことが可能です。
引っ越したらキングサイズが入らない、といったことがあってもシングルサイズとして使えますし、子供が大きくなった場合でも、夫婦用のは新調してシングルベッドを子供用にあてがうこともできるでしょう。
家族構成の変化に対応しやすい、という点では、こちらに軍配が上がります。
シングルベッドを2台並べて使う場合のデメリット
ベッド(マットレス)同士の隙間が邪魔になる
ベッドを2台並べているわけですから、当然マットレス同士、というよりベッド同士に隙間が生まれます。
普通に寝る分にはそれほど気にならないのですが、ベッドの上を歩いたときに、毛布などで気付かず隙間を踏んで、足を取られてしまうことがあります。
マットレスの隙間くらいならいいですが、ベッドフレームの形状次第では、フレーム同士に隙間が生じることがあり、足がそこまで入り込むと、シャレにならない怪我になる可能性もあるので注意が必要です。
特に、子供がこういう境界付近で飛び跳ねて遊んだりすると、最悪骨折といったケースもあり得ます。
また、ベッドの上に置いた物がそこに落ちることがあり、しばらく見かけなかった衣類等が、大掃除のときにベッドの下から出てきた、などということもよく聞く話です。
これを防ぐには、シーツカバーだけでもキングサイズにするという手もありますが、隙間がより見えにくくなり、隙間に足を取られる可能性が高くなるのであまりお勧めできません。
最近の製品では、並べて使うことが前提の「連結ベッド」というカテゴリーも注目されており、多数の製品が販売されています。
これらは、金具を使ってしっかり連結固定できるので、そういう隙間にまつわる問題は発生しにくくなっています。
境界線付近の感触が気になる
足を取られて怪我まですることはなくても、寝たときの感触としてマットレスの境界線が気にならない人はいないでしょう。
マットレスの端は、形を維持するためにワイヤーが入っていることが多く、角は硬くなっているのが普通です。
寝相がいい人は問題ありませんが、就寝時の移動範囲が広い方だと、境界線付近の違和感で目を覚ますことがあるかもしれません。それより先に、一緒に寝ている相手に起こされるでしょうが。
また、夫婦で仲良くしようとするときに、このマットレスの継ぎ目を予想以上に邪魔に感じる、という話もあるようです。
クィーン、キングサイズのベッド1台で使う場合のメリット
面積が広いので、伸び伸び寝れる
先のデメリットの裏返しではありますが、広いベッドを本当の意味で広く使えます。
1人の場合はゆったり寝ることができますし、2人の場合でも、境界線がないので一体感があり、多少の振動が伝わったとしてもこちらのほうがいい、という方も多いです。
さらに、子供も一緒に家族で寝るという場合には、ベッドやマットレスを分割するのは得策ではありません。クィーン、キングサイズのベッド1台で使うほうがおすすめです。
ベッドの隙間が存在しない
クィーン、キングサイズのベッドフレームを使うなら、ほとんどの場合に1枚のマットレスを敷きますので、シングル2台のときのデメリットであった、マットレスの隙間がありません。
そのため、先に挙げたような隙間に足を取られる、隙間に物が落ちる、といったデメリットがそもそも存在しません。子供が多少飛び跳ねて遊んでも安心です。
クィーン、キングサイズのベッド1台で使う場合のデメリット
寝具の種類が少ない
クィーン、キングサイズのベッドは絶対的にシェアが小さいので、寝具の種類がシングルほど豊富ではありません。
だいたいは無難なデザインのものになりますし、選択肢がそもそもそれほど多くないので、気に入ったものが見つかるかどうかもわかりません。
隣で寝る人の動きが気になる
これもシングルベッド2台で得られるメリットの裏返しですが、やはり1枚のマットレスに2人寝ると、その振動が伝わり、人によっては都度目が覚めてしまい、眠りが浅くなってしまうという話も聞きます。
しかしこれも程度の問題ですので、どうにも我慢ができない場合は、先に書いたようにポケットコイルのマットレスを使ったり、また、マットレスを2枚敷くことで軽減できます。
ただ、それほど気になるという場合は、クィーン、キングサイズのベッド1台で使うより、シングルベッド2台にしたほうが間違いはないでしょう。
まとめ
使う方の感覚によるところが大きいので一概にどちらがいいとは言えませんが、ベッドの広さや、一緒に寝る相手との一体感を重視するならクィーン、キングサイズのベッドのほうがいいでしょう。
ただ、毎日の安眠や、状況の変化まで視野に入れると話は変わってきます。
例えば、夫婦どちらかの帰りが毎日遅い家庭の場合を考えてみます。
すでに片方が就寝中のところにもう一方が来ると、クィーン、キングサイズのベッドの場合、どんなに気を付けてもマットレスが揺れて、かなりの確率で相手を起こしてしまいます。
そこまでの状況でなくても、そういうことが多少なりともストレスになるのであれば、シングルベッド2台にした方が、長期的に見てメリットが大きいと言えます。